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ビジネスアーキテクト不在の問題

最近いろいろ回っていて最も気になるのが、企業の「要件定義力」「基本設計力=業務設計力」が欠けているということです。

そして一番厄介なのが、これに経営者が気がついていないということです。

これが欠けるとどうなるかと言いますと・・・
・IT開発コストが高くなる。→コストが上がる。利益率が下がる
・事業差別化が困難となる。→将来の売上が減る
・時間がかかる→機会コスト、機会ロス

いろいろ有ります。

「最近、どうも利益率が減る」
「進捗が遅い。何やっているのか?」
「自分が陣頭指揮を取らないとダメだろうか?」
「新規事業を任せているのだが、なかなか形になってこない。」

ヒアリングをすると、いろんな意見、感想が出てきています。

ですが、ほとんどの場合、原因は先に書いた「要件定義力」「基本設計力」にあります。
要は「ビジネス・アーキテクト不在」ということなわけです。

その根本的原因がわからないため、KPI定めて尻を叩いたり、いろんなことをしています。

なぜその原因がなかなかわからないのか?

それは当事者が「できていません!」と言わないし、本人もその問題に気がついていないことが多いからです。

例えば、こんなこと聞いたことありませんか?
「開発ベンダーの上げてきた品質が非常に悪いので遅れています。」
自分で分からなければ、ベンダーに対して
「提案して!」
そして費用削減の折には
「この見積、無条件に10%下げてください。」

つまり、担当者は自分で考えるのではなく、単にまわりに押し付けていることが多いのです。
私はこれを「ベンダー使い」と呼んでいます。
実はほとんどの企業(大企業も含めて)こういう人が担当者であることが多いのです。

昔はこれで良かったわけです。
皆、横並びの仕組みを作っているのであれば、その情報はベンダーに集まります。
大手の優秀なベンダーであれば、このような案件はさばくことは簡単。
多ければ多いほど助かりますね。似たようなものを作れば良いわけですから。

ですが、昨今のように「差別化」が大きな課題となった時、この方法では全く立ちいかないわけです。
他社と同じものを作っていたのであれば、意味が無いからです。

仕事柄コンサル、顧問でありますから、今起きている課題を抽出し、その答を瞬時に出すことはできます。
しかし、これでは企業として、その場は良いにしてもその後同じ問題を抱えることになります。

つまり、病気の世界では、医者は肝硬変を治療できたとしても、当の本人が生活改善をしないことには同じことを繰り返す・・これと同じです。

最大の課題は「人材育成」です。

ビジネスアーキテクトとなる人材育成が必須。

前々から言っていますが、インターネットの時代になりすべての業務境界が崩れています。
地理的条件はわかりやすいのですが、業務の世界でもそれは起きています。

個人でも簡単にメディアを作り出せる時代なわけです。
そうなると必要となるのがスーパージェネラリストとも言える存在が必要となります。
昔はCIO=業務とそれを実現できるIT双方を理解している人。
だったのですが、今ではそれをも超える人材が必要となっているわけです。

人材育成、組織運営が非常に重要になっています。
これには2つのアプローチが有ります。

1)当座乗り切るための組織体制
2)根本的な解決のための人材育成。

つまり、2)は時間がかかるので、1)でまずは乗り切るという方策です。
様子を見ながら2)で人を育てていく方法となります。

この人を育てるというのも、だれでも良いというわけではなく、素養のある人を見つけ出すことが非常に重要です。最大の必要条件は「抽象化能力」が高いこと。

実はだれでもできるわけではないからです。その人の幼少時代の過ごし方で実は決まるような話です。
(そう考えると、幼少時代の教育が非常に重要では有るのですが・・・)
その人物の抽出、育成まで行っていくわけです。

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