いろんな会社さんで打ち合わせを傍聴することがあります。
その時もっとも気になるのが「言葉の定義」です。これがズレていると後々大きな問題となります。
ある会議で「このシステムを導入することでお客様の業務変更負荷は少ない。」という話が出ました。
しかし、ある営業から異論が出てわけです。
「いや、私のお客様ではまったく逆の事を言っている。」
さて、どちらが正しいのか?
実はどちらも正しいのです。
違っているのは「業務」という言葉の定義がそれぞれの営業の方で異なっていたのです。
最初の営業の方の言う業務は
・当システムはまったく新しいものであり、既存の業務に比べると楽になる。
なので、実際に作業をしている人の業務フロー変更不可は少ない。
もう一人の営業の方の「業務」とは
・このシステムはいろんな他のシステムとつなぐ必要がある。なので導入における負荷が高い。
要は、システム担当者の「業務」を指していたわけです。
ここをきちんと聞き分けないと、正しく判断出来ません。
ですが、この会議の中では誰もそれについて異論を唱えなかったのです。
「このシステムは導入することで、業務変更負荷が少ないお客様もいるが、変更負荷が多いので受け入れられない客がいるようだ。」
で終わってしまいました。
さて、どうアプローチすべきだったのか・・・・
「はて?どうして双方の主張が全く正反対なのだろう?」
「もしかして、「業務」と言っているものが違っていないだろうか?」
つまり、お互いの言葉の定義が食い違っていたことに気がつくはずです。
実はこのようなことは非常に多いのです。
なので、業務コンサルの第一歩として行う必要があるのが
「用語集」
です。
一度、みなさんも社内で作ってみてください。
結構愕然とする結果に驚くと思います。
日常業務で普通に使っている言葉なのに、それぞれの解釈が異なることが結構あるのです。
「え?今までどうして伝わっていたの?」と驚くと思います。
そう、実は伝わっていなかったのですよ。
気が付かないということは恐ろしいことでもあります。
ですが、ここにもう一つの重要なメッセージが有ります。
「定義を明確にすれば、意思疎通が非常にスムーズに済む」
ということです。
用語集を作り、共通言語を語れば、意識のズレが極小化されるということ。
特に、急成長している企業などは要注意ですね。
人数が少なければ、阿吽の呼吸で済んでいたのですが、人数が増えるにつれだんだん難しくなる。
実は、この「言葉の定義の不備」が急成長につれて業務が回らなくなる要因の一つでもあるのです。